晴れの国 blog

ブログ名は筆者の居住地に関連します。記事内容に関連するものではありません。

JR「吉備之国くまなくおでかけパス」にやられた

この切符のことをよく知っている人は1.2は読み飛ばしてください。

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1.切符の概要
一部マニアの間では有名な題記の切符。
有名な青春18きっぷのエリア限定版みたいな感じで
簡単に特長を書くと
・適用区間が「吉備」から想像される範囲よりかなり広く、岡山県全域とそれにつながる広島県西部(ごく一部鳥取県
区間内の全列車に1日乗り放題。特急やグリーン車特急券やグリーン兼を購入すれば乗れる。ここは18切符と大きく異なるところ
岡山県内の私鉄井原鉄道水島臨海鉄道岡山市路面電車も乗車可能。
・購入はなぜかJR西日本予約サイト(e5489)またはみどりの券売機のみでみどりの窓口では買えない(予約切符の受取のみ可能)
・乗車前日までに日を指定して購入(支払い)必要。切符の受取は当日でも可能。
・切符を買うと岡山市倉敷市の一部ショッピングモール等での割引サービスが受けられる。
・お値段はおとな¥1980、こども¥520とこどもは激安。

こんなところ
このきっぷ今回は4/1~9/30と期間が定められているが、数年前から微妙に内容が異なるが同様の切符が発売され続けていて以前は「岡山・尾道お出かけ切符」などという名称だった。

 エリア外に居住していてもエリア内の駅までの切符を用意すれば利用が可能なので例えば人気の尾道に関西方面から観光に行く時なども使える。

 

2.切符の購入について
 しかしである。一つ難点がある。この切符乗車前に切符本体を手に入れる必要がある。どういうことかというと確かに予約サイトで予約と支払いはできるのだが、切符本体はエリア内の駅のみどりの窓口、またはみどりの券売機でないと入手できない。したがって乗車前に一度エリア内の駅に行く必要があるという無理ゲーを要求される。
 もっとも前日までにサイトで予約購入さえしておけば、受取は当日でもできるようになったので(以前は予約サイトもなかったので本当に前日までに駅に行く必要があった)
エリア内の最初の駅でいったん改札を出てみどりの窓口なりで受け取れば手間と時間はかかるものの運賃的にはメリットを最大限に享受できるはずである。


3.今回の事件の顛末
 ここで落とし穴に落ちてしまった。
 筆者は岡山県内に住んでいるのではあるが、先日エリア外の広島市方面に用事があり、当日中に帰る可能性もあったので帰りの切符は手配しないでおいた。筆者の地域からだと通常の切符を買うより、たとえ片道になってもこの切符と区域外の切符を組み合わせた方がトータルで安くなる。
 案の定夜遅くなって宿泊することになったため、予約サイトでこの切符を予約購入しておいた。サイトは23時30分まで購入できるのでこういう時は便利である。
 切符をよく見てもらえばわかるが、広島市方面からくるとエリア内の最初の駅は糸崎という駅である。この駅は尾道駅の一つ広島市よりの駅である。

 筆者はこの糸崎で当日切符を受け取るつもりだった。もちろん無人駅やみどりの窓口のない駅では切符は受け取れないがそうでないことは知っていた。そこで糸崎までの切符を別途購入し洋々と糸崎駅の改札を出た。悲劇はそこに待っていた。
 な、なんと真昼間なのに、いやだからこそなのだが、窓口が閉まっていた。そこに書かれていたのは朝と夕方のみのOPENを告げる営業時間の表示だった。駅に営業時間があるのはまあ仕方のないことで早朝や深夜は閉まっているのはわかるが、これは想定外だった。では券売機はどうなのか。残念ながら普通の券売機で予約切符が受け取れるタイプのみどりの券売機ではなかった。茫然自失。夕方の営業時間までは数時間あり、まさか待ってはいられない。ではどこで受け取ればよいのか。最善は隣の尾道駅である。尾道駅は観光地だし最近駅舎も新しくしたばかりなのでまさか同様の事態はありえないと思ったが、尾道駅につながるというインターホンがあったので確認した。大いに文句を言いたい気分であったが、まあ責任者でもましてや仕組みを考えたわけでもない一駅員(たぶん)に言ってもしょうがないので尾道駅で確実に受け取れる確認だけにとどめておいた。

 さて、この先はややマニアックな話になる。JRの切符は一般に通しで買う方が安くなる。大都市などは私鉄との競合で特別の運賃になっている場合などがありこの原則に当てはまらない場合があるが、今回の場合は糸崎で切符を分けるより尾道まで通し切符を買った方が安かった。
 しかし今回糸崎で途中下車してしまったため尾道まで別の切符を購入せざるを得ず高くついてしまった。糸崎で切符の受取ができないと分かっていれば最初から尾道までの切符を買っただろうし、途中下車したことで一本電車も遅れたわけで時間も無駄になってしまった。しかも尾道で切符を受け取るためにまた途中下車する格好になり、2重に無駄時間となってしまった。
 糸崎で受取できないと分かった後で気づいたのだが、自動改札機が変だった。通常の自動改札機は切符を入れたりICカードをタッチしたりすることでゲートが開く仕組みなのにそのゲートがなかった。そもそも切符を投入するところがよく無人駅にある切符回収箱みたいな感じで切符の読み取りは全く行ってない感じだった。つまり、これは無人駅と同じで切符をそこに入れずに通過が可能だったのだ。であれば窓口で切符が受け取れないと気付いた時点で新たに切符を購入しなくても糸崎までの切符をもってそのまま次の電車に乗車し尾道駅で乗越精算をすれば通し切符と同じ料金で乗ることができたというわけである。窓口が閉まっているなどとは夢にも思わなかった私は、ちょっと変だなとは思いつつそこに切符を投入してしまっていたので後の祭りである。
 そういえば、駅の中に駅前のコンビニへの案内図が貼ってあるのをちょっと変だなと思って見ていたことを思い出した。糸崎という駅は電車の線区の乗換駅になっていて、電車の乗り継ぎのためいったんホームに降りる必要があり、ダイヤによっては待ち時間もそれなりに発生するのでちょっと何か買って来ようと思う人はそれなりにいると思う。駅構内に売店がないのでそういう人のために親切に案内出しているのでしょう。しかし近距離の切符だと途中下車ができないのでコンビニに行くと切符が無効になってしまうし、無効にならない定期のお客ならそういうことは知っていそうなものだし。まあでも18切符とかで乗り継ぐ客もいるだろうからいちいち駅窓口でそういうことを聞かれたら面倒なのでかなと思っていたのですが。実際は昼間は出入り自由だったんですね。(厳密には無人駅でも改札を出ると切符は無効になり、買いなおすのが本当の気がするが営業規則はどうなっているのでしょう。でもそうだとすると暗に規則違反を勧めていることになるので、やっぱりこれは出入り自由の乗車券を持っている人向けの案内ですよね、JRさん)


4.まとめ
 というわけで、「吉備之国くまなくおでかけパス」を使おうと思っている人は、駅の営業時間に注意しましょうという話でした。安全なのはみどりの券売機がある駅、そうでない駅では無人駅でないか、みどりの窓口はあるか、その営業時間はいつかということに気を付けましょう。

 ちなみに目的地に到着してから「吉備之国くまなくおでかけパス」を購入して精算というのはできない決まりになっています。必ず乗車前に切符の入手が必要です。